楽々人ブログ

仕事の合理化に関する実践ノウハウを書いたブログです

第2回 RPAに取り組む際の実践ノウハウ 「自動化対象業務の絞り込み方」

続きです。

 

今回は「自動化対象業務の絞り込み方」がテーマです。

業務改善に取り組む際に最初に行うのは「業務の洗い出し」です。ISOの時も、内部統制の時も「業務の洗い出し」でした。ときにこれが業務改善の取り組みのエネルギーの浪費につながることがあります。過剰分析、過剰計画。頭でっかちな取り組みは「失敗への早道」になることがあります。自動化のように「投資」が伴うときは「取り返そう!」という意識からかそうなるリスクが大きくなる可能性があります。

 

私がおすすめする「自動化対象業務の絞り込み方」は下のような方法です。

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1.パイロット部署を決める(1,2部署で十分)

2.その部署と一緒に定型業務の洗い出しを行う。

3.これをパレート図にして、何割の業務(数)が所要時間の何割を占めているのかを見える化する。2:8の法則があてはまることが多い。

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4.機械的に上位2割の業務を自動化のターゲットにする。上位2割に位置する業務の所要時間を見る。上のグラフでいえば500時間。これを他の部署でも目安にする。つまり「年間500時間以上の業務を洗い出してください」と。これにより所要時間で8割を占める業務を短時間で洗い出せる。上位の業務を自動化できると考えた場合、現場は「うんざりする洗い出し」ではなく「にんまりする洗い出し」になる。肌感覚のモティベーションが生まれる。

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これだけで既に十分な数の自動化候補業務リストが出来上がります。これを第一期自動化対象としてはいかがでしょうか?最小限の投資で最大限の成果につなげるという意味でも効果的ですが、メリットはそれだけではありません。

 

何より「組織の活性化」につながります。手がかかっていた業務が自動化され「時間」を生みます。また大掛かりなシステム開発とは違い失敗する率が低いので確実に「成功体験」「自信」を得られます。そして何よりそれに携わった「社員の成長」こそ組織の宝です。この社員のネットワークができると会社の成長基盤の一つになります。

 

さて、こんな風に短期間に目に見えて業務や組織が変化したら隣の部署はどう思うでしょうか?確実に良い影響が出てきます。そしてアドバイザーが隣にいるわけですから隣の部署も自動化の成功率が高くなります。場合によっては類似業務があるかもしれません。その場合は業務を標準化したうえでの自動化が進みます。

 

「自動化」は大掛かりに構えなくても、勝手に大きな取り組みになること請け合いです。「自動化対象業務の絞り込み方」が組織文化醸成、人材育成につながります。ぜひお試しください。

 

Starts small and grows big!です。

 

次回は「現行業務の把握の仕方」です。